租税特別措置法の適用除外事業者の判定方法について

法人税

こんにちは、税理士の竹田です。

以前、中小法人と中小企業者の違いについてブログで記載したのですが、その中で適用除外事業者についても触れていました。

今回は、適用除外事業者の判定方法を、具体的事例を交えてご説明したいと思います。

 

1. 適用除外事業者とは

適用除外事業者とは、その法人の事業年度開始前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の平均が15億円を超える法人をいい、これに該当すると、税法上の中小企業者であったとしても、租税特別措置法等に規定されている中小企業の優遇規定が受けられなくなります(措法42条の4⑲八)。

留意点としては、設立後3年を経過していない法人については、適用除外事業者には該当せず、欠損金の繰り戻し還付や組織再編を行っている場合には、一定の調整計算が必要となります。

 

2. 該当した場合に適用できなくなる規定

中小企業者の優遇税制を受けていた法人が、適用除外事業者に該当することになった場合には、以下に規定されている、中小企業向けの優遇措置が適用できなくなります。

・中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2)

・試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4④⑤⑥)

・中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(措法42の6)

・中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除(措法42の12の4)

・給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の5②)

・法人税の額から控除される特別控除額の特例(措法42の13⑤)

・被災代替資産等の特別償却(措法43の3)

・特定事業継続力強化設備等の特別償却(措法44の2)

・特定地域における工業用機械等の特別償却(措法45②)

・中小企業者等の貸倒引当金の特例(措法57の9)

・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(措法67の5)

 

 

3. 判定の具体例

では実際に以下のような法人があった場合に、適用除外事業者に該当するかどうかについて検討したいと思います。

A株式会社(3月決算法人)という資本金1,000万円の法人があり、当期(2022年3月期)において適用除外事業者事業者に該当するかどうか判定します。

過去3年間の所得推移は以下の通りとなっています。

2019年3月期:△8億円

2020年3月期:+20億円

2021年3月期:+30億円

 

この場合、3年間の所得及び欠損金額を合計すると42億円になるため3年間で平均すると14億円となり、15億円を超えないため、適用除外事業者に該当しないように見えます。

 

しかし、条文通りに算定すると、

(0+20億円+30億円)×12/36=16.6億円

 

となり、15億円を超えるため、適用除外事業者に該当することとなります。

 

条文上はどのように記載されているかというと、

「3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の合計額を…」

と記載されています。

 

所得の金額の考え方については、別のブログでいつかご紹介したいと思いますが、マイナスの概念はありません。

また、欠損金額については法人税法第2条第1項19号で定義されていますので、所得の金額の定義には該当しないこととなります。

 

上記より、2019年3月期については、△8億円で計算するのではなく、0円として計算するのが、今回のポイントとなります。

 

4. おわりに

適用除外事業者の判定については、3年間の平均で考えることがポイントになっているため、毎年判定する必要があります。

もし、判断を誤ってしまうと後から思わぬ租税負担が生じることもありますので、十分に注意が必要です。

 

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竹田

 

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