【外資系企業必見!】見落としがちな移転価格税制の文書化について

移転価格 国際税務

12月に決算月を迎える外資系企業は多いかと思いますが、年末も近づいて参りましたので、注意喚起も含めて外資系企業が見落としがちな移転価格税制に関する文書化についてご説明いたします。

円安の影響により対象となる法人が増加することも想定されますし、見落としてしまうとペナルティの対象にもなりますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

 

1.移転価格税制の文書化制度について

平成28年度税制改正により、移転価格税制に関する文書化制度が整備され、一定の要件に該当する法人については、最終親会社等届出事項、事業概況報告事項、国別報告事項を電子申告により所轄税務署長に提出しなければならないこととされています。

 

これらの移転価格に関する文書は、すべての法人が対象となるわけではなく、親会社及びそのグループ会社等を含めた多国籍企業グループの直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円以上の法人が対象となっています。

 

 

2.最終親会社等届出事項

特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人は、その特定多国籍企業グループの各最終親会社会計年度に係る最終親会社の情報を記載した最終親会社等届出事項を、各最終親会計年度終了の日までに、電子申告により所轄税務署長へ提出しなければなりません(租税特別措置法第66条の4の4第5項)。

 

最終親会社とは、企業グループの構成会社等のうち、その企業グループの他の構成会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)を支配しているものとして一定のものであつて、その親会社等がないものをいいます。

 

上記は条文の文言を用いているため少しわかりづらいと思いますので、具体例を用いてご説明します。

 

アメリカに最終親会社を有する日本で設立された外資系企業で、アメリカの最終親会社の決算が12月末の場合、当該グループの2021年における連結総収入金額が1,000億円以上であったとすると、2022年12月末日までに日本の子会社が最終親会社等届出事項を提出する必要があります。

 

グループの子法人が日本に複数ある場合には、すべての子会社が提出する必要はなく、いずれかの法人が代表して提出することも可能となっています。

 

3.事業概況報告事項(マスターファイル)

特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又はその構成会社等である恒久的施設を有する外国法人は、特定多国籍企業グループの各最終親会計年度に係る事業概況報告事項(特定多国籍企業グループの組織構造、事業の概要、財務状況など)を、当該各最終親会計年度終了の日の翌日から一年以内に、電子申告により、所轄税務署長に提供しなければなりません(租税特別措置法第66条の4の5)。

 

また、事業概況報告事項については、正当な理由なく期限内に提出されなかった場合、30万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

 

なお、マスターファイルについては、上記にも記載しました通り、グループの構成会社等の名称・所在地や事業の概要(収益の重要な源泉やサプライチェーンの概要など)、財務状況など記載事項が多数に上っておりますので、早めの準備が必要となります。

 

 

4.国別報告事項(CbCレポート)

特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人は、当該特定多国籍企業グループの各最終親会計年度に係る国別報告事項(特定多国籍企業グループの構成会社等の事業が行われる国又は地域ごとの収入金額、税引前当期利益の額、納付税額など)を、その各最終親会計年度終了の日の翌日から一年以内に、電子申告により、所轄税務署長に提供しなければなりません。

 

また、国別報告事項についても、正当な理由なく期限内に提出されなかった場合、30万円以下の罰金が課せられる可能性があります。

 

国別報告事項については、条約方式と子会社方式という2つの制度があります。

条約方式とは、最終親会社の所在する国の税務当局に提出された国別報告事項に相当する情報が日本の税務当局との間で共有されることから、国別報告事項の提出義務が生じない制度となっています。

 

一方で、子会社方式とは、最終親会社の所在する国と日本との間で情報を共有する合意等がないない場合には、その最終親会計年度終了の日の翌日から1年以内に国別報告事項の提出が義務付けられています。

 

ほとんどの外資系企業については、条約方式に該当しているケースが多いため、上記2の最終親会社等届出事項と3.の事業概況報告事項を提出すればよいのですが、一定の法人については、国別報告事項の提出も必要になってきますので事前に条約方式が適用されるのか子会社方式が適用されるのか確認が必要となります。

 

 

5.おわりに

弊所では、上記書類の作成及び代理送信等も行っておりますので、お困りの際はぜひ下記問い合わせフォームからご連絡ください。

 

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