グループ通算制度について~制度概要~

法人税

こんにちは、税理士の竹田です。

本日はグループ通算制度の概要についてご説明します。

 

今回は制度概要と手続きについてのご説明のみとし、具体的にどのような法人がグループ通算制度を導入するとメリットがあるかどうかについては次回ご説明いたします。

1.制度概要

いきなりグループ通算制度の説明に入る前に、グループ通算制度の土台である連結納税制度について説明します。

連結納税制度は平成14年において創設され、連結納税制度の親法人とその親法人と100%支配関係のあるすべての子法人(内国法人のみ)を1つのグループとして、親法人がそのグループの法人税の申告及び納税を行うという制度です。

これにより、そのグループ内で同じ事業年度内に所得が発生している法人と欠損(赤字)が発生している法人がある場合には、これらを相殺することにより、税額負担を減らすことができるというのが、連結納税制度のメリットだったのですが、企業グループ内の法人を1つのグループとして申告することから、グループ内のどこかの法人に修正事由が発生すると、グループ全体で税額計算がやり直しになるため、とても手間がかかっていました。

 

この部分を大幅に変更したのがグループ通算制度です。

グループ通算制度は令和2年度税制改正において導入されることになった制度で、令和4年4月1日以後開始事業年度から適用が開始されます。

グループ通算制度では、今までの連結納税制度と同様に企業グループ内で発生した所得と欠損を相殺するという制度(損益通算)を残しつつ、申告・納税は親法人が行うのではなく、各法人が行うこととし、グループ内のどこかの法人に修正事由が発生したとしてもその修正が発生した法人の修正のみで完結させるという制度に移行されました。

 

 

2.制度を受けるための手続き

グループ通算制度の適用を受けるためには承認申請が必要な場合がありますので、それぞれのケースについてご説明します。

 

① 新たにグループ通算制度を適用する法人

現在、連結納税制度の適用を受けておらず新たにグループ通算制度を開始しようという法人については、グループ通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始日3か月前までに承認申請書を提出し、国税庁長官の承認を受けることが必要となります。つまり、令和4年4月1日開始事業年度から適用を受けようとする場合には令和3年12月末までに国税庁長官の承認を受けることが必要となります。

ちなみに通算制度の承認申請書については、連結納税の承認の申請書と同様の様式を使用することになっていますので、具体的な様式については下記URLをご参照ください。

[手続名]連結納税の承認の申請|国税庁 (nta.go.jp)

 

② 連結納税制度からグループ通算制度へ移行する法人

すでに連結納税制度を適用している法人で、そのままグループ通算制度への移行を考えていらっしゃる法人については、何もしなければ自動的にグループ通算制度へ移行されるため、改めて承認申請書を提出する必要はありません。

 

③ 連結納税制度からグループ通算制度へ移行しない法人

連結納税制度からグループ通算制度への移行をしない法人については「グループ通算制度へ移行しない旨の届出書」を令和4年4月1日以後最初に開始する事業年度開始の日の前日までに連結親法人の納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります。

提出し忘れてしまうと自動的にグループ通算制度へ移行されてしまうので注意が必要です。

様式については下記URLをご参照ください。

[手続名]グループ通算制度へ移行しない旨の届出|国税庁 (nta.go.jp)

 

 

グループ通算制度を適用するかどうかについては慎重な判断を要するため、適用判断にあたっては余裕ををもったスケジュールが必要になります。

 

導入にあたってのスケジュール管理やシミュレーションなど、より具体的な内容やご相談がございましたら、ぜひお問い合わせフォームからご連絡いただければと思います。

 

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竹田

 

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