海外渡航費用の取り扱い~法人編~

海外出張 国際税務

コロナウイルスの影響により、海外出張の頻度が減った又は全くなくなったという法人も多いかと思います。そうはいっても、海外出張を再開している法人もあることから、今回は海外出張等を行った場合の法人税法上の取り扱いについてご紹介したいと思います。(今回は法人税の取り扱いについてですが、次回は個人事業主向けの取り扱いについてご説明いたします。)

1.法人税法上の取り扱い

法人が役員又は従業員に海外出張に際して支給する旅費(航空運賃、宿泊費、日当、支度金など)は、その海外渡航がその法人の業務の遂行上必要であり、かつ、渡航のために通常必要と認められる部分の金額に限り、法人税法上も損金として認められることになっています。

従って、業務の遂行上必要でない旅費や通常必要と認められる金額を超える場合には、その役員又は従業員に対する給与等として取り扱われることになります。

業務の遂行上必要なものであるかどうかについては、その旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間等を総合的に勘案して実質的に判定することになりますが、次に掲げるようなものは原則として法人の業務の遂行上必要な海外渡航に該当しないものとされています。

(1)観光渡航の許可を得て行う旅行

(2)旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募してする旅行

(3)同業者団体その他これに準ずる団体が主催して行う団体旅行で主として観光目的と認められるもの

ただし、上記(1)~(3)に該当する場合であったとしても、実質判定により損金算入の余地もあります。

2.観光などを併せて行った場合

では、海外出張の合間に観光などを行った場合はどのように取り扱うのでしょうか。

その場合、その海外出張の旅行期間にわたって、法人の業務の遂行上必要と認められる期間と認められない期間を日数等により合理的な方法で按分し、業務の遂行上必要な部分を抜き出して、法人において損金として処理する必要があります。

 

しかし、海外出張中の休日等を利用して観光を行ったような場合については、休日分について特別に旅費等が支給されている場合を除いて、概ね全期間を通じて業務の遂行上必要であった旅費等と認められる場合に限り、その全額が法人において損金として処理されます。

 

3.同伴者がいる場合

法人の役員又は従業員が海外出張を行う際に、家族等を同伴するケースもあるかと思います。その場合、そのご家族も法人の役員又は従業員で業務の遂行上同伴するということであれば、法人がその旅費等を負担したとしても損金として処理できる部分はあるかと思いますが、法人とは関係のないご家族を同伴し、その費用を法人が負担した場合については、その役員又は従業員に対する給与として取り扱われることとなります。

しかし、以下のような場合には、業務の遂行上必要と認められる場合には、法人が旅費等を負担することについて合理性があると考えられることから、法人において損金として取り扱うことができます。

(1)その法人の役員が常時補佐を必要とする身体障害者であるため補佐人を同伴する場合

(2)国際会議への出席等のため、配偶者を同伴する必要がある場合

(3)その旅行の目的を遂行するために外国語に堪能な者又は高度の専門的知識を有する者を必要とするような場合に、適任者が法人内にいないためその役員の親族又は臨時に委嘱した者を同伴するとき

 

4.消費税の取り扱い

海外出張の場合、消費税の課税対象になるものとならないものが項目によってことなることから、その仕訳を計上する際に注意が必要となります。

大まかに取引内容に応じた区分を記載していますので、参考にしていただければと思います。

(1)国内の移動

自宅若しくは会社から空港等への移動に係る、国内での交通費・駐車場代などについては消費税の課税対象となり10%課税仕入れとして取り扱います。

 

(2)航空券等

日本から海外への国際運賃については、消費税は免除されています。

 

(3)現地でかかる費用

海外で支払う、交通費や宿泊代については、すべて日本の消費税の対象外になっていますので、不課税取引として処理されます。

 

(4)旅行代理店等に依頼した場合

旅行代理店等に航空券代や現地でのホテル、アテンドなどを一括で依頼した場合、それらには実費負担分と旅行代理店の手数料などが混ざっているため、その内容に応じて消費税の対象となるものとならないものに分ける必要があります。

 

5.そろえておきたい資料

当然のことながら、海外出張を行った際には、その航空券等や海外出張のために国内及び現地で支払った費用に関する領収書や請求書の保存は必要になります。

 

その他にも海外出張旅費規程を設けることや、海外出張を行う役員又は従業員の氏名及び役職、海外出張の目的や旅行先、経路、期間、訪問する相手方の会社名など具体的な内容がわかる資料についてもそろえておきたいところです。

 

6.おわりに

海外出張については、領収書が現地の言葉でわかりづらかったり、日本円に換算する面倒など実務上困る部分もあるかと思います。

どのような対応方法があるかなどのアドバイスもさせていただきますので、お困りの際はお気軽に下記お問い合わせフォームからご連絡ください。

 

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