こんにちは、税理士の竹田です。
今回は令和4年4月1日以後取得する資産から適用される、少額減価償却資産等に関する税制改正後の取り扱いについてご説明いたします。
Index
1.少額減価償却資産とは
法人が取得する資産のうち、一定金額未満のものについては、会計上で費用として計上することにより、税務上も損金算入が認められるというものです。
その他、取得する資産の金額により、通常の固定資産とは異なる償却方法が適用されるものもあるため、それらの取り扱いについて、ご紹介いたします。
2.少額減価償却資産の法人税法上の取り扱い
資産の取得価額に応じた税務上の処理方法については、以下の通りとなります。
内容 | 取得価額 | 税務上の償却方法 | 添付別表 |
①少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度 | 10万円未満 | 取得価額の全額を
損金算入 |
不要 |
②一括償却資産の損金算入制度 | 20万円未満 | 3年間で均等償却
(残存価額なし) |
別表16(8) |
③中小企業者等*の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 |
30万円未満 (年300万円まで)
|
取得価額の全額を 損金算入
|
別表16(7) |
*中小企業者等の判定については、別のブログに記載していますので、下記リンクをご参照ください。
また、特別償却の適用を受けるものなど一定のものについては除外されておりますので、この点についてもご留意ください。
3.令和4年度における税制改正及び影響
令和4年度の税制改正においては、上記2.③の適用期限が2年間延長されました。
また、令和4年4月1日以後取得される資産については、上記2.①~③の規定の適用が受けられる対象資産から、貸付(主要な事業として行われるものを除く)の用に供したものが除外されています。
これは、少額資産を大量に購入して、それらを貸付の用に供することにより即時に損金算入し、収益については将来にわたって賃貸料収入や売却収入を得るといったような損金を先取りし、後から収益を獲得するような節税スキームに対する対応策として導入されたものです。
4.おわりに
リース業などを主要事業として営まれている法人については、これらの改正による影響はあまりないと見込まれますが、近年よくあるような、ドローン節税や昔からある少額のコンテナを大量購入するようなレバレッジドリースなどの節税スキームについては、改正により思ったような節税効果が見込まれない可能性があります。これらの商品を購入される際は、十分に内容を理解した上で購入いただくか、一度専門家に相談いただくことをお勧めいたします。
竹田
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