消費税が二重でかかる⁉輸入取引の留意点

国際税務

こんにちは、税理士の竹田です。

海外から商品を輸入し日本で販売している法人・個人の方はたくさんいらっしゃるかと思います。

あまり細かいところまで意識されていないかもしれませんが、取引のアレンジの仕方によっては消費税が二重でかかってしまうということがあります。

今回は、どういった場合に消費税が二重でかかってしまうのか、そうならないようにはどのようにすればよいのかを消費税法上の条文を交えてご説明いたします。

 

1.二重で消費税がかかる場合とは

日本の法人が海外から商品・製品等を輸入する場合、海外の法人が日本に事業所等を有していないため、日本の法人が輸入手続き等を行い、日本の法人が有する倉庫に搬入したあと、その日本にある倉庫で引き渡し(所有権の移転)が完了するといったような取引を行っているケースがあります。

このような場合、契約形態によっては日本の法人が消費税を二重で支払うことになってしまう可能性があります。

 

2.消費税法上の取り扱い

なぜ二重で支払うことになるかというと消費税法上の納税義務者が異なるためです。

消費税法第五条では下記のように規定されています。

 

第五条(納税義務者)

1 事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三十条第二項及び第三十二条を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れ(課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものをいう。以下同じ。)につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

 

2 外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

 

 

つまり、第五条第一項では、国内で課税資産を譲渡した場合には、その譲渡を行った者(売手)が購入した者(買手)から消費税を預かり、売手がそれを納税する義務がある一方で、輸入取引の場合には、第五条第二項にある通り、誰から譲渡されたかにかかわらず、外国貨物を保税地域から引き取る者に納税義務があります。

 

これを上記1.の例に当てはめると、輸入した商品・製品等が譲渡された場所は日本にある倉庫であるため、第五条第一項により日本の法人(買手)が海外の法人に消費税を含めた商品・製品等の金額を支払い、海外の法人(売手)が日本の法人から預かった消費税を納税するということになります(海外の法人の納税義務の有無についてはここでは省略します。)

 

また、輸入手続きについては日本の法人が輸入手続きを行っていることから日本の法人が消費税を納めることとなり、結果として日本の法人が二重で消費税を支払ってしまうという結果となります。

 

3.どのようなアレンジにすると良いか

では、上記のような結果とならないためにはどのようにするのが良いかというと、大きく二つあるかと思います。

① 資産の譲渡を国内ではなく海外とする(契約書上で、どこで資産の譲渡が行われるかを明記することをおすすめします。)

② 実質的な輸入者を海外の法人とする

 

上記①の場合、資産の譲渡が海外であれば国内で行われたものではないため、消費税の課税対象とはなりません。

 

上記②の場合、仮に日本の法人が輸入手続きを行う場合であっても、実質的な輸入者を海外の法人とすることができるのであれば、次の要件を満たす場合、海外の法人が外国貨物を保税地域から引き取ったものとされます(消費税法基本通達11-1-6)。

 

(1) 実質的な輸入者が、輸入申告者が引き取ったものとされる当該課税貨物を輸入申告後において輸入申告者に有償で譲渡する。

(2) 実質的な輸入者が、当該課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額を負担する。

(3) 実質的な輸入者が、輸入申告者名義の輸入許可書及び同名義の引取りに係る消費税等の領収証書の原本を保存する

 

4.おわりに

今後インボイス制度が導入されると、海外の法人が適格請求書発行事業者になっていないケースが多いと想定されますので、国内で資産を譲渡すると、日本において仕入税額控除が取れないという事象も考えられるので留意が必要です。

弊所では、輸入取引に関するアドバイスや契約書のレビューなども行っておりますので、ご相談がありましたらお気軽にお問い合わせフォームからご連絡いただければと思います。

 

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竹田

 

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